4.長時間労働者への医師による面接指導について

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面接指導(安衛法第66条の8)

 労働安全衛生法により、脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者(時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者(本人からの申出による))に対し、事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられています
 常時50人未満の労働者を使用する事業場も平成20年4月から適用されています。

医師による面接指導制度の趣旨は・・
 長時間労働により疲労が蓄積し健康障害発症のリスクが高まった労働者について、その健康の状況を把握し、これに応じて本人に対する指導を行うとともに、その結果を踏まえた措置を講じるものです。

面接指導とは

 問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて必要な指導を行うことをいいます。

長時間労働者への面接指導制度の概要
 脳血管疾患及び虚血性心疾患等(以下「脳・心臓疾患」という。)の発症が長時間労働との関連性が強いとする医学的知見を踏まえ、脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者に対し、事業者は医師による面接指導を行わなければならないとされています。

面接指導実施に係る流れ


2019年4月1日施行

 従来、事業者に義務付けられる面接指導の実施対象者に係る労働時間数の要件は、休憩時間を除き、1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間(時間外・休日労働時間)が「1月当たり100時間を超えた者」と していましたが、今般これが改正され「1月当たり80時間を超えた者」に対象が拡大されました。



2019年4月1日施行

 労働安全衛生規則の改正により、時間外・休日労働時間を算定した結果1月当たり80時間を超えた労働者については、その超えた時間に関する情報を労働者に通知することが新たに事業者の義務として定められました。また、このよう な長時間労働者の氏名やその労働時間に関する情報を産業医に提供することを義務として定められました。



面接指導実施に係る流れ

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時間外・休日労働時間の算定方法

毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなければなりません (下図参照)

面接指導の申出期間・実施期間について(毎月10日〆の場合)

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面接指導の関係法令

(安衛法 第66条の8)

事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。

(安衛則 第52条の2)

面接指導の対象となる労働者の要件は、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるものであることとする。ただし、事項の期日前1月以内に面接指導を受けた労働者その他これに類にする労働者であって面接指導を受ける必要が無いと医師が認めたものを除く。
2  前項の超えた時間の算定は、毎月1回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。
3  事業者は、第一項の超えた時間の算定を行ったときは、速やかに、同項の超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者に対し、当該労働者に係る当該超えた時間に関する情報を通知しなければならない。

(安衛則 第52条の3)

面接指導は、前条第1項の要件に該当する労働者の申出により行うものとする。
2  前項の申出は、前条第2項の期日後、遅滞なく、行うものとする。
3  事業者は、労働者から第1項の申出があったときは、遅滞なく、面接指導を行わなければならない。
4  産業医は、前条第1項の要件に該当する労働者に対して、第1項の申出を行うよう勧奨することができる。

(安衛法 第66条の9)

事業者は、前条第一項の規定により面接指導を行う労働者以外の労働者であって健康への配慮が必要なものについては、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

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